aとtheの違い!英語の冠詞は特定できるかどうかで使い分ける

aとtheの使い分けは簡単にできる

aとtheの使い分けは簡単にできる

aはone、theはthatが変形した単語

冠詞を付けない日本語で育ってきた人たちが、英語独特の冠詞であるaとtheを使い分けるにはコツが必要です。まずはaがoneの略であり、theがthatの略であることを意識しましょう。

  1. aはoneが略された単語で「ある~」と訳せます。
  2. theはthatが略された単語で「あの~」と訳せます。

aはoneが略された単語です。oneとはone of many(たくさんの中の1つ)を意味しています。例えば「I like a cat.」であれば、ネコ1匹をイメージできますが、それはたくさんいるネコの中の一例であり、特定はできません。訳は「私は(ある)ネコが好きです」となります。

theはthatの略された単語です。thatとはthat and only(あのと唯一)を意味しています。例えば「I like the cat.」であれば、ネコ1匹をイメージでき、さらにそのネコがどのネコかを話し手と聞き手ともに特定できる状態です。訳は「私は(あの)ネコが好きです」となります。

つまり、a catはone catでも通じます。これには「あるネコ」というニュアンスを含んでいます。the catはthat catでも通じます。これには「あのネコ」というニュアンスを含んでいます。

one catならa cat、that catならthe catと置き換えると、初心者の人も使い分けがしやすいかもしれません。この方法に慣れてきたころには、自然とaとtheを付けられるようになっています。

特定できるかどうかを日本語で考えてみる

あなたが「私は昨日美しい女性を見かけました」と話すとき、相手はその女性を特定できません。その女性はたくさんいるであろう美しい女性の1人であるわけです。つまり「ある女性」となり、aを使います。

  • I saw a beautiful woman yesterday.
    私は昨日美しい女性を見かけました。

次に「その女性はスカーフを巻いていました」と続くとき、相手はその女性が先ほど話した女性であると特定できます。それは「あの女性」ですので、theを使うことになります。

  • The woman had a scarf.
    その女性はスカーフを巻いていました。

つまり、聞き手が特定できるかどうかが、aとtheを使い分けるポイントになります。その名詞を特定できるということは、その名詞が2回目の登場であったり、明確に1つしかないとお互いが認識できる状態ということです。

aとtheがある理由は名詞をわかりやすくするため

外国人が日本語の「私は」と「私が」の違いが理解しにくいことと同様に、日本人も英語のaとtheを使い分けるには知識と経験が必要です。

このように母国語にない文法は最初はうまく使えません。外国人は日本語の「てにをは」のような副詞を難しく感じますし、日本人は英語の「a、the、複数形のs」のような冠詞に抵抗感を覚えます。

ただ、日本語で「私はTOEIC® Listening & Reading Testで600点を取れる」と言うべきところを「私がTOEIC® Listening & Reading Testで600点を取れる」とすると、やはり正しくありません。これを会話の中で何度も使われると、日本人も聞くことに疲れてしまいます。

これは英語も同じです。ネイティブの人はaとtheには非常に敏感で、間違えると気持ち悪かったり、意味が理解できないことすらあります。要するに変な言葉遣いであるわけです。そのため、aとtheをスムーズに使えるようにならなければ、英語が話せるとは言えません。

また「aとtheが使う理由」を理解していないと、なかなかaとtheを使う習慣も身につかないです。aとtheを使う理由はシンプルで、話し手が聞き手に名詞をわかりやすく説明するためです。

例えば、話し手が「I went to a supermarket.」と言った瞬間、聞き手は「aが付いているから、まだ話には出てきてない」とわかります。aを付けただけで判別できるわけです。

続けて、話し手が「The supermarket was closed.」といった瞬間、聞き手は「theが付いているから、さっきのスーパーマーケットのことだ」とわかります。

このようにaやtheの違いで、文脈上のsupermarketの立ち位置がわかりやすくなりました。話し手はaやtheを使い分けることで、聞き手が理解しやすいように配慮しているとも言えます。

逆に「A supermarket was closed.」としてしまうと、聞き手は「先ほどのスーパーマーケットではないどこか別のスーパーマーケットが閉まっていた」と理解することになります。

そのため、aとtheの使い方は外国人にとっては、文脈上におけるその名詞の特徴を理解する上で、重要な役割を担っています。

初心者が始めるaとtheの実践的な使い分け

aとtheの違いは「不特定か特定できるか、抽象的か具体的か、複数存在するか唯一存在するか、他にあるか他にないか、同種のものがあるかないか、限定できないかできるか、イメージが共有できていないかできているか、初出か既出か」などと、参考書によって似て非なる説明がされています。

ただ、そうなると「私はテニスラケットが欲しいです」という文を作るとき、aとtheの違いのどれに当てはまるかを、頭の中で探さないといけません。

  • I want a tennis racket.
  • I want the tennis racket.

本来「どれでもいいからテニスラケットが欲しい」場合はa tennis racketであり、すでに「メーカーや型番も決まったテニスラケットが欲しい」場合はthe tennis racketというイメージですが、その認識は初心者には難しいので、はじめてうちはすべてaを付けて文章を作るようにしましょう。

特に英会話の初心者はそもそも今までにaやtheなどの冠詞を付けずに、話す機会が多かったはずです。スピーキングでは丁寧な文章を作る時間がないので、とっさに「I want tennis racket.」と答えているかもしれません。

しかし、それでは文法的に間違っていますので、まずは「a」を付けてしまいます。聞き手も「非ネイティブの人だから、まだtheがうまく使えていない」と理解していますので、実践的にはそれでも構いません。

まずは冠詞を付ける意識が大切です。それができたら次にところどころでtheを使うようにします。theを使う条件には次の3通りが存在します。

  1. 話の中ですでに出てきた名詞にはtheを付けます。例えば「I bought a car. The car is expensive.」という具合です。さらに明らかにその車から連想された名詞であれば「The engine made in Japan.」のように、はじめての名詞でもtheを付けることができます。
  2. 例えば「Let's go to the bar.」や「Please, open the window.」のように、お互いに共通のイメージができたり、それが1つしかない状況下では、名詞にtheが付きます。
  3. 常識的に1つしかない名詞にはtheしか付きません。地球や富士山もその1つです。最上級も同じく「It is the worst problem.」のように、必ず1つに絞られるためにtheが付きます。

このようにtheは「既出、共通、常識」のときにのみ使います。よく「1つしかないものにはtheを付ける」と教わりますが、いきなりそう言われても使えるわけがありません。

普段からaを使い続けて、途中から「聞き手にわかりやすく話したい」という余裕が出てきたら、theを入れ込むようにしましょう。

無冠詞、複数形、不可算名詞も理解をしていく

schoolやbedにはaを付ける必要がない

school、bed、carはすべて名詞ではありますが、次の文章ではaやthe、複数形のsも付いていません。

  • I went to school yesterday.
  • You were lying in bed.
  • She can get there by car.

しかし、どれも正しい文章です。冠詞には例外があって、例えば、atやtoなどの後にあるschoolには冠詞が付きません。schoolだけではなく、nursery、university、hospital、sea、homeなども同様です。

ここで単純に「例外」と覚えるのではなく、きちんと「特定の建物や場所といった名詞は物質というよりも機能としての意味合いが強いため、機能は数えられない不可算名詞にあたり、冠詞を付けることができない」と理解しておくと応用が利きます。ちなみに次のbedも同じ理由で冠詞が付きません。

by carも数える名詞としての役割ではなく、手段であるために何も付けないことになっています。by train、bus、bicycleも同様です。食事であるbreakfast、lunch、dinnerも同じで、aやtheが付きません。

あとはbetween boy and girlのように、2つ以上の名詞がandで繋がれた場合は、冠詞が省略されることがあるなど、一般的な文法とは異なりますが、使いやすいために正しくなった文法が、英語には多々存在します。

複数形や不可算名詞にもtheは使える

初心者が勘違いしやすい文法の1つに「theは単数形や数えられる加算名詞にしか付けられない」ことがあります。

aかtheを二者択一で選択していたため、aが単数形で加算名詞にしか付けられないのであれば、theも同じような性質を持っていると思うことは自然なことです。

しかし、aは「たくさんの中の1つ」を意味しているために、たくさんと数えられるかつその中の1つだからこそ、可算名詞の単数形にのみ付けられるわけです。

一方、theは「あの~」ですから、単数や可算名詞に関係なく、複数形や不可算名詞にも付けることができます。

例えば、アメリカ合衆国を意味するthe United States of Americaももちろん、間違いではありません。アメリカは1つしかないのでtheが付きますが、たくさんの州があるのでstatesを使っています。

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公開日公開日 2014.07.24
更新日更新日 2015.12.08
執筆者Kirito Nakano

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